
DAYS
第34章 Lives M×O
ずっと俺だけがそう思ってるんだと
勘違いしていた。
「…智も同じこと、思ってたんだな。」
「俺たちのいいところって、
お互いを思いやれるところだと思う。
でも相手を考えすぎて、考えが
空回りしてるところもあるんだと思う。
だからさ…、これからは言おうよ。」
ね?って、首を傾げながら言う。
こういう時に思うんだ。
やっぱり智は年上で、俺なんかよりも
ずっとずっとしっかりしてるんだって。
ふらふらしてるようで、しっかりと
ぶれない自分ってのを持っていて。
ここぞって時に、ちゃんと導いてくれる。
いつだって助けてくれる。
「俺、智の恋人でよかった…。」
「どうしたの、急に。」
大袈裟だな、って笑ってるけど、
本当に思ってるよ?
鼻の奥がつーんとして、
じんわりと視界が滲んでいく。
急にしおらしくなった俺を
「やっぱ潤可愛すぎる。」
ってめちゃくちゃに抱きしめてくれる。
俺、ぬいぐるみじゃないんだけど…?
でもこれも智の優しさ。
俺が泣きそうなのを分かってるから、
こうやって抱きしめてくれてる。
人前じゃ泣きたくない俺のことを
ちゃんと知ってくれてるから。
好きな人の前では、ずっと格好よく
いたいのに、智相手じゃ決まらない。
まぁ今更そんなの気にしないけどさ。
「うん。やっぱり潤可愛いよ。」
「そればっかりじゃねーか…。」
「ますます欲しくなった。潤のこと。
食べちゃいたい。」
「食べちゃいたいって…。
え!?」
「ちょ、うるさい、潤。」
おいおいおいおい、それって、
俺が抱かれる側ってことか?
