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DAYS

第34章 Lives M×O





「何でそんなに慌ててるの?」
「いや、逆に何でそんなに冷静なの?」


さっきまでのいい雰囲気はどこへやら。

結局どこか抜けた感じになるのが
俺らのお決まりのパターン。


「ずっと俺が抱くんだと思ってた。」
「その言葉そっくりそのまま返す。」


真正面で2人、向き合ったまま
じーっと互いの顔を見合ってる。


今までは可愛いって思ってたばかりの
智の顔が、どこか凛々しい。

その顔に、ぐっと惹かれる自分も
いるけど、そこは見ないふり。


負けるわけにはいかない。

ここだけは譲れないんだ。どうしても。


そんな頑なな俺の姿勢に、

「そんなに?」

って不思議そうに聞くから、
これはチャンスだと思って押してみる。


「だって智、可愛い。」
「潤も可愛い。」
「俺なんか比じゃないくらい可愛い。」
「俺の2倍可愛い。」


びっくりするくらい引かない智。

ちょっとずるい気はするけど…。


「今度の誕生日プレゼントに、

…智が欲しい。」


手を伸ばして智を抱きしめて、
耳元で囁いた。

ずるいって分かってる。

こうすれば、きっと断わられないって
分かってこうしてる。


でも、譲れない。


あの日。

智とシェアハウスを始めて、
泣いてるのを壁越しに聞いたあの日。

智のことを好きになって、守りたいと
思ったあの日から、

ずっと思ってたことだから。


俺の前で泣いてほしい。
俺の腕の中にいてほしい。

俺を好きになってほしい。

…智を抱きたいって。

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