
DAYS
第34章 Lives M×O
O side
ずるいなぁ、潤。
さっきまではオロオロで慌ててたのに、
今はそんなに真剣な顔をしてさ。
急に格好よくなって…。
「…ずるい。」
「分かってる。
でも、欲しいんだ。」
何か強い意志を感じた。
「俺、男だよ。」
「分かってる。」
「…怖いよ。」
「俺だって怖い。」
「え?」
意外だった。
潤も同じことを思ってたってこと。
きっと同じだと思う。
俺と潤が感じている恐怖は。
痛いとか、女みたいだからとか、
そんなことが嫌で怖いわけじゃない。
一線を超える恐怖はそんなものじゃない。
言葉ではうまく言えないけど、
でも怖いんだよ。俺。
「…大切にしてくれる?」
「当たり前だろ。」
「俺の事、好き?」
「愛してる。」
間の開かないリスポーンに、
胸をぎゅっと締め付けられる。
こういう時、どうしようもなく
好きだなって思う。
俺たちは、似てると思う。
ストレートに気持ちを伝えられるとこ。
そのクセ、相手のことばっかり考えて
大事なことほど言えないとこ。
「俺が誕生日プレゼントでいいの?」
「それ、言わせるの?」
「うん。俺だって恥ずかしいんだから、
それくらい言えよ。」
「…智以上のプレゼントなんてないよ。
飛びっきりの誕生日プレゼントだよ。」
ほらね。
こんな歯の浮いちゃいそうなセリフだって
格好よく決まる俺の恋人。
潤の誕生日までは、あと6日。
