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DAYS

第34章 Lives M×O




潤の誕生日は、すぐに迫る。

何をプレゼントすればいいのか
まったく分からなかったから、
あげるものっていうか、欲しいものが
分かったしいいのかな…。



って思おうとしたけど、ダメだ。


「どうすんだよーー。」


今日はまだひとりのリビング。

俺はオフだけど、潤は朝早くから
仕事に出かけていった。

俺の情けない叫びだけが、家に響く。


「プレゼントが俺って…。」


当たり前だけど、こんなの言われたことない。

しようと思ったこともない。

だけど他に何も浮かばない。
浮かんではいるっちゃいるけど、
…重くなりそうだから。


「プレゼント…俺だけでいいの?」

昨日までは、あんなにあたふたしてたのに
もうすっかり抱かれるって覚悟がついた。

立派なプレゼントとは言えないけど、
でも欲しいって言ってくれた。


「何か作ろっかな…。」

今からじゃ、絵は無理だろう。

万が一描き上げられたとしても、
クオリティの問題もある。

おまけに、明日からの4日間は
すごくハードなスケジュール。


「…ペアリング、とか?」


自分で言って、思わず黙り込む。

だって作ったことはおろか、
送ったことも、まともに見ることもない。


だけど…。

きっと喜んでくれるよね?

潤の顔は見れないけど、
だけど嬉しそうな顔が浮かぶ。


「よし!作ろう。」


徹夜をしてもダメかもしれないけど、
でも渡せないよりも何十倍もいい。


アトリエにこもって作業に没頭していた。

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