
DAYS
第34章 Lives M×O
M side
最近、智がドライだ。
普段からあんまりベタベタするタイプでも
なかったけど、それでも、だ。
俺の帰りが遅くなれば、
「疲れてるでしょ?早くお風呂に入って
寝たほうがいいよ?」
俺のほうが早ければ、
「明日もあるんだから、寝なきゃ。
お風呂くらい入ってなよ。」
「何なんだよ…。」
お風呂に響く独り言。
今日は俺のほうが早く帰ってきた。
早いって言っても、夜の10時を回ってる。
智は、今日は遅いらしい。
智は俺の体や体調のことばかりを
気にしてくれるけど、でも自分だって
かなり忙しいはず。
気遣ってくれてるのは嬉しいけど…
「なーんか、淋しい…。」
思わずポロッとこぼれた本音に、
自分でも驚いた。
一緒に住んでるのに、すれ違いの日々。
しかも最近は、同じベッドの上で
朝を迎えることさえ少なくなった。
朝、目を覚ましてみても
腕にあの愛おしい重みがない。
温もりがない。
それを痛感させられるたびに、
朝から何度もため息をつくのだ。
今日も。昨日もひとりだった。
アトリエで寝てるって言ってたから、
何か作業をしてるのは分かる。
分かるけど、やっぱりどこか
納得のいかない自分がいる。
作品に嫉妬したって仕方がないけど、
それでも嫉妬はする。
誰かのために作品を書く智にも、
創られる作品にも怒りをぶつけたって
意味なんてないのに。
「バカだな、俺…。」
