
DAYS
第34章 Lives M×O
O side
潤は疲れもあって、すぐに寝てしまった。
「潤の寝顔、久しぶりに見たな…。」
ソファーで寝る潤の顔を、
じっくりと観察してみる。
やっぱり、濃いなぁ…。
「って、やば。」
もう日付も超えて、今日は29日。
明日には潤の誕生日が来てしまう。
リングにはあと、文字を入れるだけ。
ちょっと苦しそうな顔で寝てる潤には
申し訳ない気もしたけど、
こっそりとリビングを出てアトリエへ向かう。
入れる文字はいくら悩んでも、
なかなか決めることが出来なくて。
ああでもない、ここでもないと
ブツブツひとりで言いながら作業をする。
やっとのことで、彫る文字は決まった。
イニシャルはもう入れてあるから、
あとはそれを彫るだけ。
作りながらも、ずっと潤のことを想ってた。
なのに、リビングの潤のことを
忘れてたんだよ、俺。
そのことに気が付いたのは、
潤がアトリエのドアから入ってきた時だった。
いきなりドアがガチャっと開くもんだから、
驚いて体がビクッと跳ねた。
「わっ。びっくりした…。」
「何作ってんの?」
潤の機嫌が悪いらしい。
かなり低い、地を這うような声だ。
俺は手に持っていたリングを、
反射的にぱっと後ろへと隠した。
「あ、えっと…。」
「何?隠さなきゃいけないもんなの?」
「そういう訳ではないんだけど、
でもー…、あっ。」
おどおどしてたらあっという間に
差を詰められて、さっとリングを
取り上げられた。
