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DAYS

第34章 Lives M×O




ちょっと待っててって言われたから、
待っているけど戻ってこない。


「…っくしゅっ。
何か寒…。」


髪の毛もろくに乾かさないで、
ソファーに寝てしまっていたからか
クシャミまで出てきた。


しかも廊下は、夏にしては冷えてる。

何やらでっかい台風が来てるとかで、
気温がぐっと下がってるらしい。


半袖だし。しかも、ブランケットも
何も手元にはない。

体が怠くて、うまく動けないし。


なんとか気力だけで意識を保っていたら、

「お待たせ!」

智が、小さな小さな箱を持って戻ってきた。


「遅いよ…。」
「ごめん。最後の文字を入れてたら
遅くなっちゃって…。」


俺の前に、ぱっと出された箱。

智が、まるでプロポーズのシーンのように
ゆっくりと箱を開いていく。


「ずっと…一緒にいて欲しい。」


智からの真っ直ぐな言葉。

鼻の奥がつーんとしてくる。
瞳が潤んでいくのが、自分でも分かる。


「プロポーズみたいだな…。」
「そりゃそうだよ。
プロポーズしてんだから。」

返事は?って、急かす智。

不覚にも、心臓がきゅんと高鳴った。


「俺も、ずっと一緒…、がいい。」
「…やばい。やっぱり可愛すぎる。」
「可愛くねーぞ。

…っくしゅっ。」
「え?潤、風邪引いた?」


さっきのいい感じの雰囲気は、
俺のクシャミと共に、どこかへ飛んでった。

結局俺らはこうなるんだよな。


体冷やしちゃダメ!って、
智が何とか寝室のベッドまで運んでくれた。


布団の中は、暖かかった。

智の体温が俺の肌になじんでいく感じが、
気持ちよかった。

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