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DAYS

第35章 ホント S×O




「シートベルトした?」
「うん。」
「じゃあ出発するよ?」
「うん。」


2人っきりの車内。
返ってくるのは、ぶっきら棒な返事だけ。

かなりつめたーい空気が流れてる。

智くんの機嫌が大変よろしくない。

原因はさっきのヤツ。
朝のベッドでの出来事ね。

俺が智くんを避けてるんだと
誤解してるんだと思う。


そんな訳ないけど、でもまさか

「禁欲生活中だから。」なんて言えないし。

何とか不機嫌な智くんを車に
乗せるところまでは出来た。


「ねぇ、どこ行くの?」とか、
「どれくらいかかる?」とか、
そんな会話すらない。

けど、俺には貴重な時間。

こうやってオフが揃って、
デート出来るなんてラッキーだ。


松潤との約束の時間までは時間があるから、
プランはばっちりと立てた。


「ねぇ、智くん。」
「…なに?」
「眠たいなら寝てていいよ。」
「…言われなくてもそうするもん。」


相変わらずぶっきら棒なクセに、
もん、なんて言う。

そんな智くんが、俺はやっぱり好きだ。


宣言通り、5分もしないうちに
智くんは眠りについた。

助手席からスヤスヤと寝息が聞こえてくる。

寝ている時も、どこか拗ねたような顔を
していて笑ってしまいそうになった。


「可愛いなぁ…。」


赤信号に捕まったことを言い訳に、
そっと智くんの唇にキスを落とす。


「好きだ。」
「俺も好きだよ。」
「…へ?」


ムクっと体を起こす智くんに、
やられたと思った。

「起きてたんだー…。恥ずかし。」
「翔くん。俺も好きだよ。」


今度は柔らかい笑顔に捕まって、
事故を起こしそうになったのは
言うまでもない。

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