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第6章 三回目の愛図 M×O


M side


心地よい夢を見てた。

何かはっきりとは思い出せないような
ふわふわした夢。
もう少しではっきりしそうって時に

下半身に強烈な違和感。
と、同時に何とも言えないような快感が
背中を這い上がってきてて。


「…っあ。は?」


状況が全くのみ込めない。
目が覚めたら俺のを咥えてる智さんが
目に飛び込んでくる。


その卑猥な光景は、夢よりも夢のようで。
だけど、どんな物よりリアルで。

夢?って聞くと、

「ふふ。」

って、妖しげに微笑む智さん。


気が付けば、布団の中に潜り込んでた
智さんを引っ張り出して、キスをした。

何度キスをしても足りない。


「んんぅ。じゅ…んっ。」


時折熱い息を吐きながら、
俺の名前を呼んでる。

体がゾクゾクしてる。

唇を離せば、濡れた、とろんとした瞳の
中に俺が写り込んでるのが見える。

「潤。」


これはリアルだって、心臓の鼓動が
訴えてくる。

それから俺の腕の中で、一言も
喋ることがない智さん。


…ちゃんと、言わなきゃな。

まだ迷ってる。
これを言ったら、何かが壊れそうで。
今の関係も。


だけど…。


「智さん。」

緊張してることを隠そうとしたら、
思ったよりも固い声が出ちゃって。
智さんが、びくっと体を震わせてる。


「そろそろ起きよっか。」

逃げ道を探したみたいに、俺の腕から
すり抜けて、ベッドから降りようとしてる
智さんの腕を強く引いた。


「智。」

名前を呼んでも反応はなくて。

「智。好きだよ。」
「…嘘だ。」
「嘘じゃない。」
「嘘だ。」


智さんの声が震えてる。

「遅くなってごめんな。

好きだよ。」
「嘘だぁ…。」


堰を切ったように、智さんの涙が
止まらなくなってる。


「嘘じゃない。好きだ。」

ポロポロと目から、宝石みたいな涙が
こぼれ落ちてくる。

智さんの額に、
瞼に、
鼻に、
頬に、
唇に、
首筋に、何度もキスを落とした。


「好きだよ。」

何度目かの言葉。

「うううっ…。ほんとに?」

涙でぐちゃぐちゃな顔をした智さんが
俺を見て聞いてくる。

「俺も好き…。」

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