
DAYS
第35章 ホント S×O
釣りをしたり、アスレチックをしたり。
童心に返って、時間も忘れてはしゃいだ。
特に釣りをしている時の、
あの智くんの顔は可愛かった。
「よーし!釣るぞ!見とけよ!」
「うん!」
威勢よく言い切ったまでは格好よかったけど
1匹も釣れない。
俺の竿ばかりに、魚が食いついてくる。
バケツには、俺が釣った魚が
ぴちぴちと大量に跳ねてる。
「智くん、釣りって楽しいね!」
「…別に。」
「もー…。拗ねてないで。」
「だって…。魚に翔くん盗られた。
…俺の翔くんなのに。」
ぷいっと顔を背ける仕草をして、
とんだ爆弾発言をする。
しかも何食わぬ顔で。
智くんは分かってないんだろうな、
自分の魅力に。
自分の可愛さに。
「釣れた時の翔くんの笑顔、
本当に嬉しかった時の顔だし…。
元気がいいねーなんて言って、
魚に話しかけてるし…。」
俺のほうが元気だぞ?
俺にしとけよ。
俺のほうが、翔くんのことを
笑顔に出来るもん。
魚と張り合う智くんの口からは、
嫉妬の言葉が溢れ出てくる。
可愛すぎる。
俺のだぞなんて強い口調で言いながら、
拗ねた顔は可愛いし。
嬉しくて思わず笑っちゃったら、
もっと不機嫌になった。
むすって顔をしてて、
それがまた可愛くて。
「困った嫁さんだなぁ…。」
「嫁は翔くんだろ。」
「でも可愛いんだもん。」
「智くんの方が可愛い。」
バカップルの会話だって分かってるけど、
こんな外で、堂々と言えるんだもん。
やっぱりここにしてよかった。
