
DAYS
第35章 ホント S×O
「…へ?」
戸惑う俺からは、間抜けな声が出た。
智くんが俺を見下げる。
中に入ったままだった俺のモノを、
ゆっくりと智くんは抜く。
「智くん?」
「ねぇ、翔くん。
…俺のこと、嫌いになった?」
「え…そんなわけなー…」
「あるでしょ!
じゃなきゃ、こんなことしない。」
それだけ言うと、智くんは
わっと泣き出してしまった。
大粒の涙が、ポロポロと俺の体にも
落ちてくる。
そこでやっと気が付く。
「え、あ、ごめん!」
急いで体を起こそうとするけど、
智くんに押し返されてしまって動けない。
「嫌だって言っても止めてくれないし…。
今までこんなのなかった。」
「ごめん…。」
受け入れてくれてるのかと勘違いしてた。
「でも、気持ちよさそうだったから…。」
「それは、翔くんがそんな体にしたから!」
泣き叫ぶように言われてしまって、
俺は何も言えなくなってしまった。
「愛がないセックスなんてしたくない。
俺は…。翔くんの欲望を満たすために
抱かれてる訳じゃない。
…翔くんが好きだから…。」
それだけ言うと、本格的に
泣き出してしまった。
バカだなぁ、俺。
てっきり智くんも喜んでくれてると思った。
これでいいと、突っ走ってた。
トイレまでは、智くんを
もっと感じさせたいって思ってた。
でもさっきのは完全に…。
俺の欲望を満たす行為になっていた。
智くんをちゃんと見てなかった。
