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DAYS

第36章 Mine S×A





テレビの中の翔ちゃんのことなんて
すっかり頭から飛んでいって、

玄関まで一直線にダッシュする。


すると、ほら。やっぱり。

もう腕を広げて待っていてくれる翔ちゃん。


「しょーーちゃーーん!」
「ぷっ、相変わらず元気だなぁ。」


ぼふっと翔ちゃんの胸の中に飛び込むと、
後ろに倒れそうにはなっているけど
しっかり俺のことを抱きしめてくれる。


やっぱり、ここが好き。
俺専用のこの場所が、すごく。

翔ちゃんの匂いをたっぷりと吸い込んでると、
頭上ではクスクスと笑う声がする。


「翔ちゃん?」
「んー?」


何でもない風に返してるけど、
声震えてるし、笑ってるのバレバレだよ。


「何笑ってるの?」
「だって…。雅紀が変態みたいでさ。」
「ええ!?」


自分の恋人を変態っぽいと思って
笑ってたの?


パッと翔ちゃんの胸から顔を上げると、
やっぱり翔ちゃんは笑ってる。


「何で笑うんだよー…。」
「だって、すげー真剣に俺の匂い
嗅いでるんだよ、雅紀。

クンクンしてる音、こっちにまで
聞こえるんだもん。」
「だって…。翔ちゃんの匂い、好き。
落ち着くんだもん。」

「…好きなのは匂いだけ?」


ずるいな、本当に。

さっきまで笑ってたのに、急に
そんな顔するんだもん。


「ぜーんぶ、だぁい好き。」


真っ直ぐ瞳を見ていえば、キスをくれる。

ちょっと照れてる翔ちゃんも好きだよ?

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