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DAYS

第36章 Mine S×A





そんなことをしてたもんだから、
スッカリ忘れてた。

画面の翔ちゃんの機嫌が悪かったこと。


いつもみたいに手を繋いで、長めの
廊下を並んで歩く。


「ご飯食べた?」
「いや、まだ食べてない。」

雅紀が作って待ってると思ったから。
あれ?違った?


翔ちゃんが、俺と手を繋いでいない右手で
ポリポリと恥ずかしそうに頭を掻いてる。

そんな翔ちゃんを見てたら、
嬉しくなってきて思わず笑みがもれた。


「ちゃんと作ってあるよ。」
「ほんと?よかったぁ。」


大きな瞳を少し細くして笑った。
その笑顔が堪らなく好き。

その笑顔を見て、翔ちゃんが昔
俺に言った言葉を思い出した。


『雅紀の笑顔に惚れたんだ』

俺の笑顔が好きだって言ってくれたけど、
俺も同じだった。


『はじめまして。櫻井翔です。
これからよろしくな。』


そうやって笑った翔ちゃんに
一目惚れをしたんだ。


「…ふふ。」
「ん?どうした?」
「んーん。翔ちゃんの笑顔、好きだなって。」
「さっきは匂いって言ってたけど?」
「もー…。

ぜーんぶ好きだからいいの!」


そっか、って嬉しそうに笑う。

うん。やっぱり好き。

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