
DAYS
第36章 Mine S×A
「まだ観てたんだ。」
その声に、パッと後ろを向いてみれば
スウェット姿の翔ちゃん。
タオルを首からさげて、
まだ髪の毛からは水滴を滴らせてる。
「うん。だって翔ちゃんが出てる
番組だもん。」
「そっか。」
素直に思ったことを言えば、
嬉しそうに笑ってくれる。
いつもなら。
だけど今日はやっぱり変だ。
「ねぇ、やっぱり変だよ、翔ちゃん。
何かあったんでしょ?」
「ないから。
それよりご飯出来てる?」
「あ、うん。」
じゃあ食べたいなって、半ば強引に
キッチンへと押し込まれてしまう。
テレビの電源を切ってる翔ちゃんが見えた。
絶対に何かあったんだ。
もう作ってあったご飯を温めながら
思い出す。
そういえば、俺、タッキーと
約束があったんだよなぁ。
翔ちゃんの許可がなきゃ行けないとか、
そんなんじゃないけど報告するのはクセ。
「あ…。
ねぇ、翔ちゃん。」
「んー?」
「今度、タッキーにご飯に行こって
言われたんだけどー…」
「ダメだ。」
「へ?」
行くなと言われたのは、初めてじゃない。
初めてじゃないけど、久しぶりだった。
付き合って初めの頃にはよく言われたけど、
最近は信頼してくれてるのか、
「あんまり飲みすぎちゃダメだよ?
俺、嫉妬してるよ?これでも。」
って言いながらも行かせてくれてた。
そんな翔ちゃんを可愛いなとも思ってた。
なのに今日の返事は冷たすぎる。
