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DAYS

第36章 Mine S×A




ご飯を断った、と言っても
翔ちゃんの顔が晴れることはなかった。

ただ、

「そっか。」ってそれだけ。

翔ちゃんが引き止めておいたくせに
反応薄いな、とも思ったけど、
それが照れ隠しだと思ってたバカな俺は
それ以上何も聞かなかった。

聞けなかったんだ。


その日を境に、翔ちゃんは
目の下にクマが目立つようになった。

俺と一緒の時間に寝て、同じ時間に
起床する日がほとんどなのに、
それなのに翔ちゃんだけがそうなってく。

痩せてきてるのも目に見えてる。


何より変わったのは、夜の情事。

最近の翔ちゃんは激しい。

普段は、遅い時間だったりすると

「明日も早いから」って言って、
俺が欲しがっても、俺の体のことを
考えてくれる人だった。


だけど、今は

「あ、翔ちゃ、も、無理、うあああっ。」
「まだ…っ、もっと狂って…。
もっと…もっと。」

何かに取り憑かれたかのように、
見境もなく俺を求めてくれる。

初めはそれが嬉しかった。
それだけ必要とされてるってことが、
素直に嬉しかった。


でも、今はそう感じられない。

翔ちゃんは何かに追い込まれてて、
それを俺にぶつけるセックスをする。

目はうつろだし、キスも唇にはくれない。

たくさんのキスマークが、紅く
ばらまかれている俺の背中。


俺が欲しいのは愛なのに。
くれるのはそんな甘いものじゃない。

睡眠不足と、腰の鈍痛と、全身の痛みだけ。

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