
DAYS
第36章 Mine S×A
何かあった?って、聞けなかった。
あの日以来、1度も聞けなかった。
また、悲しい顔をして
「何にもない」って言われるのが嫌で。
冷たい顔をされるのが怖くて、
踏み込めなかった。
『翔ちゃんはいつか俺に話してくれる』
って、変に自信を持って。
そんな自信のせいにして、
逃げてたんだ。俺。
翔ちゃんが苦しんでたのは目に見えてたのに。
その日はグループでの仕事があった。
某レギュラー番組の収録。
あの日から翔ちゃんは痩せてきていて、
メンバーも異変に気が付くようになってた。
翔ちゃんがメイクで楽屋を出た時、
「ねぇ、相葉さん。」
ニノが手に持っていたゲームを
机の上に置いて、いつにない真剣なトーンで
俺に声をかけた。
何の話なのかは、俺にだって
容易に想像は出来た。
「ん?」
「翔さん、どうしたの?」
いつの間にか、リーダーも松潤も
俺たちの方を見ている。
惚けたって無駄なのは分かってるから、
この前かの翔ちゃんの様子を話した。
…ちゃんと向き合わなかったってのは
うまく濁して。
「何、相葉さん。話聞いてないの?」
容赦ない松潤の言葉に、胸が痛んだ。
いや、まぁ全くその通りなんだけど
でも俺だって…。
唇をぐっと噛んで、気を抜けば零れそうな
涙を耐えていた。
