
DAYS
第36章 Mine S×A
出てきたのは、メイクを終えて
一段と格好よくなってる翔ちゃん。
でも…遠くから見ても分かる。
ちょっと痩せてきていること。
「翔ちゃん!」
名前を呼ぶと、俺の方に気が付いた
翔ちゃんがこっちを見た。
また、だ。
またあの顔をする。
悲しそうな、苦しそうな顔を。
この前よりもずっと辛そうな顔。
少し顔を引き攣らせてる翔ちゃんが
こっちにスタスタとやってきた。
「相葉くん、次、メイクだよ。」
「あ、そうか。忘れてた。」
「しっかりしてよ、もう。
滝沢くんも久しぶりです。」
俺の頭をぽんぽんと撫でてから、
タッキーに挨拶をしてる。
笑顔を浮かべてるつもりらしいけど、
目が笑ってないよ翔ちゃん。
「この前の収録ではどうも。」
「あ、いえ。」
外向きの顔してる時の顔と声。
…このふたりって、こんな感じだっけ?
「ほら、早くメイク行っておいで。」
「うん。じゃあ、またね。タッキー。」
「ご飯、行こうね。」
翔ちゃんの有無を言わせぬ声に
その場をあとにする。
タッキーの声は聞こえたけど、
何て答えればいいかも分からなかったから
とにかくメイク室へ急いだ。
ずるいとは分かってるけど、
こればっかりは…。
ごめんね、タッキー。
心の中だけは謝って、
その日の収録の事だけに集中することにした。
