
DAYS
第36章 Mine S×A
そんな感じだったから、
収録にもとにかくミスが目立つ。
いつも以上にボーッとしてて、
的外れな回答ばかりをして、
「何言ってんの、あいばか。」
「相葉くん、いつになく凄いね。」
なんて皆にフォローしてもらって。
こんな時、自分のキャラクターに
救われたと思う。
でも、もっと珍しいのは翔ちゃんも
そんな感じだったってこと。
肝心なことを忘れてたり、
時折苦しそうな顔をしてる。
今までは仕事中、絶対にそんな顔を
見せたりしなかったのに…。
それは他のメンバーも気が付いてるらしく、
リーダーまでさりげなくフォローに
入ってる。
そんな感じで終わった、グダグダな収録。
「みんな!ごめん!」
お疲れ様でした、とスタジオを後にして
楽屋へと向かう途中でみんなに
顔の前で手を合わせて謝る。
「ホントだよ…。あなたのフォロー、
想像以上に大変なんですからね?」
「ごめんなさい…。」
「翔くんもいつもと違ってた。
ちゃんと話しとけよ。」
松潤に念を押されて、はい、としか
返事をする事が出来なかった。
仕事に関して、かなりストイックだから
松潤が怒るのも当然だ。
「今日、決着つけてくる!」
「次の収録はちゃんとしろよ?」
「翔ちゃんどこ行ったの?」
「あれ…。一緒にスタジオ出たよな?」
キョロキョロ見渡すけど、
会いたい人が見つからない。
「探してくる。」
俺は今来た道を、またスタジオの方へと
戻って走り出した。
