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DAYS

第36章 Mine S×A





トイレに行った気がするって
リーダーの言葉を信じて、トイレへ向かう。


その途中、また人に捕まる。


「相葉くん!」
「あ…。」


また。爽やかな笑顔でこっちに来る。

収録前にも見た顔。


「収録終わったの?お疲れ。」
「タッキーはまだ?」
「俺も今終わったところなんだ。

断られたけどさ、もし今日これから
飲みに行く、とかって出来ない?」


何だか申し訳なさそうに眉を八の字にして
俺の顔色を伺っている。

そんな顔をされたら、俺だって
申し訳ないんだけど…。


「ごめん。今日は…。」
「やっぱりダメかぁ。仕事?」
「あ、いや…うん。」
「この前そう言ってたしそうか。」


もうそろそろ話を切り上げて
翔ちゃんを探しに行きたいんだけど…。

そんな感じでそわそわしてたら、

「あ、時間やばいの?」

なんて、気を遣って聞いてきてくれる。


上手く返事が出来なくてもごもごしてると
マネージャーが俺を呼ぶ声が、
廊下の離れた所から聞こえてきた。


「あ、呼ばれてる。」
「次の仕事じゃない?」
「相葉さん!今日はマンションまでで
いいですか?」
「え?マンションって…。

相葉くん、仕事じゃなかったの?」


タッキーが不思議そうな顔して俺を見る。


「あの…えっと。」
「相葉さんは仕事入ってないですよ。」


マネージャー!余計なこと言わないでよ!

キッと睨んでみるけど、
はてなマークを浮かべてるマネージャーに
何も言えない。


「それなら飲みに行こう。いいよね?」


さっきと変わらないはずの
タッキーの笑顔が、今はすごく怖かった。

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