
DAYS
第36章 Mine S×A
『一緒に帰る!』
そう即答しそうになって、
タッキーとの約束がふっと頭をよぎった。
「あ…。」
「ん?どした?」
断れって言われて断った約束を
また取り付けてきてるんだ。
言えば翔ちゃんが怒るのは目に見えてるし、
怒って当然だとは思う。
でも、言わないといけないだろうし…。
やっぱり、先約があるっていって
押し切って一緒に帰ろうかな。
…何か、今日のタッキー、怖かったし。
でも、タッキーの方が本当は
先約なんだよな。
あまりに唸ってるもんだから、
プッと翔ちゃんが口を押さえて吹き出した。
「あー!何で今笑ったの!?」
「だって…ふはっ。
百面相してるんだもん…くくっ。」
「はいはい。バカップルは放っておいて、
我々は退散しますか?」
ニノの声に、3人がゾロゾロと
帰り支度を始める。
翔ちゃんは相変わらず笑ってる。
「ほら。帰ろ。」
うんって言いたいけど…。
そうこうしていたら、
楽屋のドアが開いて、誰かが顔を覗かす。
「相葉くん、遅いよ。」
廊下で待ってたはずのタッキーが
入口に突っ立っていた。
瞬間、翔ちゃんの笑顔は消えて
ピリピリとした空気を纏いだす。
