
DAYS
第36章 Mine S×A
「あ…。」
「雅紀?」
どういう事だ。
そう言いたげな鋭い目で、
俺をジッと見ているのは翔ちゃん。
俺はただ、何も言えずに
体を小さく窄めるしか出来ない。
「俺と一緒にご飯に行くの。」
怖いくらいの笑顔で、タッキーが
俺よりも先に口を開いた。
その言葉を聞いた瞬間、
翔ちゃんの眉がピクッと動く。
…まずい。かなり怒ってる。
また、楽屋には静寂が戻る。
変な汗が全身から噴き出してきて、
背中をつーっと伝ってる。
ここは、俺がちゃんと言おう。
今日は翔ちゃんと…って。
覚悟を決めて、ふぅっと大きな深呼吸を
してから、タッキーの方を見て、
「ごめん、タッキー。やっぱりー…」
「行ってくれば?」
今日は翔ちゃんと一緒に帰るから。
そう続くはずだった言葉は、
冷たい翔ちゃんの言葉でかき消された。
「え?」
「別に、約束なんてしてなかったし
滝沢くんとの約束が先だったんでしょ?
じゃあ、俺帰るから。」
いつもより乱暴に、カバンに荷物を詰めて
楽屋を出ていく翔ちゃん。
「じゃあ、相葉くん借りるね。」
苛立ちを隠せてない背中に
タッキーが一言、そう投げつけた。
翔ちゃんは振り向くと、キッと睨んだ。
…だけどそれ以上に、苦しそうだった。
「いいってさ。ほら、行こう。」
「あ…。」
