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DAYS

第36章 Mine S×A





S side


ずっと、悩んでた。

滝沢くんからの言葉が、
ずっとずっと頭を擡げていて。


困ってる顔の雅紀と、してやったりの
滝沢くんを置いて、楽屋を飛び出した直後、

「相葉くん、借りるね。」

そんな声が聞こえてきて。

思わず振り返って睨みつけてしまった。


そんな俺を嘲笑うような表情の滝沢くんの
隣には、泣きそうな顔の雅紀。

行くなって言ったのに、行くんだな。


…分かってる。
きっと断り切れなかっただけってこと。

俺が行くなって言ったのを、ずっと
気にし続けてること。

俺の心配をしてくれてて、俺を信じて
俺が話すのを待っててくれてること。


そんな雅紀を置いて出てきてしまったことに
今更ながら後悔をしている。


局の駐車場に出れば、マネージャーが
車を出入口のすぐ側に付けてくれてた。


「家に直行しますか?」
「うん。そうして。」


そう答えてから、ふと思い出す。

今日、雅紀は飲みに行くんだよな。
俺の飯、買わなきゃ…。


「ごめん。やっぱりコンビニ寄って
もらってもいい?」
「はい。」


コンビニの弁当を食べるの何て
いつぶり何だろう。

最近は、ずっと雅紀がご飯を作って
くれていたから。

体調が良くないのがバレてたからか、

「栄養あるもの食べないと!」って。

仕事が忙しくても、毎日毎日…。


「ごめん。雅紀…。」


雅紀が悪い訳じゃない。


原因は、今から2ヶ月ほど前のことだ。

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