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DAYS

第36章 Mine S×A




初めの方は、酒を煽って寝る事を試みた。

雅紀が寝た後、こっそりとベッドを抜けて
リビングで酒を煽った。


でも上手くいったのは、初めの
3日間程度。
仕事に支障が出るほどの量を飲まなければ
眠れなかった。
その事が、体にも仕事も影響しすぎた。


次に手を出したのは、睡眠薬だった。
だけどそれさえも上手くいかなかった。

副作用の倦怠感が強く出て、
やはり仕事に影響が出た。

それだけじゃない。
それまでの酒の影響と相まって、
肝臓がかなり弱っていたらしく
状況はさらに悪化した。


「何なんだよ…。」

誰に向かっての言葉かは分からない。

雅紀へなのか。
滝沢くんへなのか。

俺自身へなのか。


もう眠ってしまいたかった。
どうしても、眠ってしまいたかった。

暫くは頼っていなかった睡眠薬へと
手を伸ばす。


1粒では効かなくて。
2粒でも。3粒でも。4粒でも。
規定の量の範囲ではダメで、
残っていた量の全てを手に取った。


「やっと眠れる…。」


気が狂ってるのは分かる。

でも分かりたくなかった。
こんな自分を受け入れたくなかった。


ぬるま湯をコップに1杯注いで、
薬と一緒に喉に含んだとき、

都合よく、玄関のドアの開く音がした。

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