
DAYS
第36章 Mine S×A
ガラス片は、俺が押し倒してしまった時に
さらに深くに入ってしまったのか、
もう俺では取れなくて。
渋る雅紀を何とか説得して、
救急で病院へと向かった。
病院の先生曰く、
「よくこれを我慢出来てましたね。」ってさ。
ガラス片は皮膚を貫通して、筋肉と骨の間
辺りまで刺さっていたらしい。
腫れてきていたし、ひどくなる前に
来て正解ですよとのこと。
「病院に来て正解だったね。
ありがとう、翔ちゃん。」
「よく我慢してたな、それ。相当痛かった
でしょ?」
「んー…。転んだ時は感じなかった。
翔ちゃんに会いたい気持ちの方が
強かったから。」
今は痛いんだけどね?
そういってケラケラ笑ってる雅紀は強い。
やっと家に帰ってきて、ベッドに
入った頃には3時を回っていた。
「…こうやって、ゆっくり2人で
一緒に寝るのって、久しぶりだね。」
「そういえばそうだな。」
「翔ちゃんがすぐに寝込み襲うから。」
雅紀がいかにも困ってるって顔を向けてる。
あの頃は不安だった。
滝沢くんの方に雅紀の気持ちが
傾いてしまうんじゃないか…って。
雅紀の気持ちも自分の気持ちも見失って、
確かなものを求めてた。
あの頃の俺の行き着いた、「確かなもの」が
体を繋げることだったから。
何度も雅紀を求めては、無茶をさせてた。
「ごめんな。」
「ううん…。でもね、やっぱり寂しかった。
独りよがりのセックスをしたい訳じゃ
ないもん、俺は。
ねぇ…。愛のあるセックス、シよ?」
