
DAYS
第38章 SUPER×2 LOVE SONG A×S
「つけてもいい?」
「自分で付けるもんじゃないでしょ。
俺が付ける。」
箱に2つ並んだ指輪の1つが、
ゆっくりと指に通ってー…
「って、サイズが…。」
「嘘。小さい?もしかして。」
「う、うん…。」
翔ちゃんが、どうしよと涙目になってる。
「チェーン通してネックレスにした方が、
ずっと付けてられるから。
本当にありがとうね。」
「でもー…」
翔ちゃんはよほどショックらしくて、
とうとう涙がポロッと零れた。
「エンゲージリングは、2人で買いに行こ。」
「…うん。」
「翔ちゃんも小さいのかな。」
「…あ、小さい。」
「じゃあペアでネックレスに出来るね。」
何でもいいんだよ。
翔ちゃんと同じものが持てるならそれで。
指輪がなくったって、翔ちゃんへの
気持ちは嘘じゃない。
でもこうやって形になると、
やっぱり考えるものがあって。
もっと大事にしよう、とか。
もっと愛したいな、とか。
ずっと一緒にいたい、って。
「ほら。もう上がろうね。
ここ、玄関だから。」
「ホントだよ。俺ら、玄関で何やってんだ。」
プロポーズが玄関になっちゃったのも、
指輪のサイズが間違ってるとか、
どこか抜けてるのが俺ららしいよね。
リビングに着くと、さっそくキッチンで
なにやらゴソゴソし出す翔ちゃん。
「今日はね、料理も作ったんだ。」
「ええ!」
「ケーキも作った。」
「ええええ!!」
ちゃんと残さないで食べてよね?
なんて笑う翔ちゃんが可愛くて可愛くて。
押し倒したくなるのを必死に堪えた。
