
DAYS
第39章 日々常 N×A
「うまぁ…。」
「そ?良かった。」
「うん。うまい。」
ただのかしわのうどんなのに。
すごく簡単に出来るのに。
雅紀はこれ以上ないってくらい喜んでくれて。
そんなところもやっぱり愛おしい。
「寒かったでしょ?ごめんね?」
「…雅紀の方が大変だった。」
「そんな事ないよ!
俺は好きでやってるだけだもん!」
「俺も好きでやったんだから、気にすんな。」
和が素直だ…って、目をキラキラさせてる。
大袈裟なやつだなって思うけど、
でもそれだけ俺が素直になれてないって事で。
雅紀の10分の1も気持ちを伝えられない、
って嘆いたのはもう1年以上前。
今の俺はどうなんだろ。
「さっ。じゃあ片付けは俺がー…」
「俺がするからいいよ。」
「え、でも悪いよ。作ってもらったのに。」
「いつも雅紀はしてくれるじゃん。
作んのも、片付けんのも。
…いつもありがと。」
「…変なキノコとか食べた?」
熱とかないよね?って、
額に手を当ててきてる。
…普段、いかに俺が素直じゃないか
痛感する。
「じゃあお言葉に甘えて…。」
「今日は俺がするから。」
「何を?」
「全部。
だから、今日はゆっくりしてて。」
かぁーっと顔が熱くなる。
耳まで赤くなるのが分かる。
でも今日は…。
今年ももう終わるんだから、
今日くらいは素直に。
「…ありがと、和。」
俺をぎゅっと抱きしめる雅紀。
背は俺より高いのに、でも甘えん坊で。
うん…やっぱり好きだ。
