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Decalogue

第1章 好奇心から始まった

飲み終えてテーブルに置いたカップに何も残っていないのを男が確認すると
「じゃあ、仕事に行ってくるよ。いい子で待ってろよ」
「うん…」
男の長い指先が少女の長い黒髪を撫でて耳にかけると小さく唇を重ねた。
寝室から出ていく男の姿が見えなくなると、鬱陶しそうに耳にかけられた髪を下ろして、大きな天蓋ベッドのベールを捲り、ベッドに転がると柔らかな毛布にくるまった。
鍵の掛かる鈍い金属音が静かな部屋に響いた。
少女は
ああ、やっと夜が始まる。
少しの間、あの人から開放される。
そう思いながら、薬が効いてきたのか少女は眠りに落ちていく。

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