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空が明るくなったせいでベール越しのシルエットさえ覗けなくなった。
僕自身がもう限界だ。
白濁した体液をティッシュに吐き出した。
彼女がベッドから降りてきた。
腕を上にあげて伸びをして、大きなあくびを漏らした。
カーディガンを羽織りサイドテーブルに置いたままの本を手に取り、続きから読み始めた。
本に夢中になっていて、彼女はずっと椅子に座ったままだ。
サイドテーブルに本を置いて読み終える頃には日が傾き始め金色から茜色に変わり始めた。
男がベールを捲くってベッドから降りてくると、彼女の側に行くと何かを言っている。
怒っているというより不安げな表情だ。
男は彼女の細い肩を掴んで、唇を奪った。
彼女も男と肩に手を回し、求めるように舌を絡め合い、唇を重ねている。
僕は男の動きに唾を飲み込んだ。
シャッターを切っていると一瞬、男と目が合ったような気がした。