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真聖の唇が離れると
「…お兄ちゃん？…どうしたの？」
「いや、何でもない」
真聖は優しく微笑んで優花の髪を撫でると、唇を小さく重ねた。
床に屈んで優花の指先を握ると、見上げるように目線を合わせると
「もう俺を不安にさせないでくれ…せめて俺と一緒に寝る時くらいは隣にいてくれないか？」
真聖の真剣な眼差しに優花の心が揺らぐ。
「…ごめん…なさい」
「別に怒ってるわけじゃないんだ…」
優花に柔らかな笑顔を向けて
「腹減らないか？作ってやるから待ってろよ」
「…うん」
優花はベッドに凭れるように座った。
真聖が部屋から出ていきキッチンに立つと、手際よく食材を切り、フライパンで煽ると皿に盛り付けた。
寝室に戻ると、テーブルに並べて真聖が椅子に座り
「ここにおいで」
優花は真聖の言葉にベッドから降りてくると大人しく従った。
膝の上に優花を座らせるとスープをすくって
「熱いから気をつけろよ」
真聖が息を吹きかけて冷ますと、口に運ばれて優花はゆっくりと飲みこんだ。
「旨いか？」
「うん…」
真聖は優花の口に少しずつ運んでいく。
「…お兄ちゃんは食べないの？」
「ああ、今日は仕事で外で食べるからな」
「そうなんだ…」
優花は複雑な想いを抱く。
「もしかして妬いてるのか？」
指先で優花の頬を優しく撫でる。
「…ちがう」
真聖に向けた刺すような声に驚いて、優花は頬を赤く染めた。