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Decalogue

第4章 交接する心とからだ

いつもより早く彼女は一人になった。
降り出した雨にレンズの向こうの視界が悪くなっていく。
彼女はテーブルで何かを書き取っている。
隣に並べてあるのは教科書で、僕の部屋に乱雑に置かれているのと同じもの。
彼女は伸びをして小さなあくびを漏らすと、テーブルに並んだものを片付け始めた。
ベールを捲くるとベッドに横になり、天井のライトと間接照明を消した。
また彼女が見えなくなり、仕方なく僕も横になった。

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