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Decalogue

第4章 交接する心とからだ

ベッドから降りてくると彼女は窓際まで近寄り、椅子を支えにして背中を反ると後ろから男が来て彼女の体を貫いた。
彼女の大きな胸が揺れる。
男は鞭のようなものを持ち、彼女の肌を優しく撫でると直ぐに振りおろした。
彼女の体が跳ねて尻尾が揺れる。
頬を赤く染めながら嫌がる様子もなく、気持ちよさそうな顔で喘いでいるのが伝わる。
今日はこれで何度目の情事なんだろう…
僕の部屋は特有の臭いがする丸められたティッシュが幾つも転がっている。
夢中で自慰行為にふけっているとノック音に邪魔される。
「凌生、お願いだから部屋から出てきて。母さんあなたのことが心配でたまらないの」
ドアの向こうで母親が涙声で訴えている。
その言葉にいつもより余計に苛立ち
「うるせえよ。ちゃんと飯食ってるだろ?いいからどっか行けよ」
転がっていた雑誌をドアに向けて投げた。
それにしても…
男の行動が日増しにエスカレートしていくように思える。
まるで彼女を調教でもしているみたいだ。
小動物のように彼女を愛で、性で縛り付け、そして鞭を振り下ろす。
彼女は抵抗もせず、甘い声を漏らして男に懇願しているように映る。
僕から溢れてくる欲情が、彼女への気持ちを日に日に募らせる。
彼女が男に汚されていく。
犯して壊していく。
何度夜を過ごして、何度朝を迎えたのだろう。
いっそ朝なんか来なければいいのに…

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