君と別れるための5つの条件
第2章 別れるのは1カ月後、それまでは今まで通りにする
「落ち着いた?」
桃李が頷くと翔太は桃李から体を離れていく
「あっ……」
桃李と翔太の間に冷たい空気が壁を作る
もっと抱きしめられていたいなんて思ってしまう俺は最低だ……
「ごめん……」
「なんで謝るの?」
「…………」
言えない
翔太に嫌われるのが嫌だなんて……
もっと抱きしめてほしいなんて……
こんな最低なこと言えるわけが
翔太は桃李が話すのを待っていたが、固く結ばれた唇を見ると、諦めて自分から話し始めた
「……辛いことあるなら教えてほしい。今までも桃李は辛いこと隠してばっかりだったから。1人で抱え込まないで。……最後くらい俺に甘えて……」
『最後』という言葉が部屋にいつまでも居座り、桃李の胸に突き刺さっていく
自分で作ったものなのにそれを受け入れるのを拒んでしまう
ただ、今の自分はそれすら出来ずに翔太の言葉に甘えてしまうほど弱っているみたいだった
「……抱き締めて」
蚊の泣くような小さな声を腹の底から絞り出す
恐る恐る顔を上げると翔太は微笑み、もう一度桃李を優しく包み込んだ
桃李が頷くと翔太は桃李から体を離れていく
「あっ……」
桃李と翔太の間に冷たい空気が壁を作る
もっと抱きしめられていたいなんて思ってしまう俺は最低だ……
「ごめん……」
「なんで謝るの?」
「…………」
言えない
翔太に嫌われるのが嫌だなんて……
もっと抱きしめてほしいなんて……
こんな最低なこと言えるわけが
翔太は桃李が話すのを待っていたが、固く結ばれた唇を見ると、諦めて自分から話し始めた
「……辛いことあるなら教えてほしい。今までも桃李は辛いこと隠してばっかりだったから。1人で抱え込まないで。……最後くらい俺に甘えて……」
『最後』という言葉が部屋にいつまでも居座り、桃李の胸に突き刺さっていく
自分で作ったものなのにそれを受け入れるのを拒んでしまう
ただ、今の自分はそれすら出来ずに翔太の言葉に甘えてしまうほど弱っているみたいだった
「……抱き締めて」
蚊の泣くような小さな声を腹の底から絞り出す
恐る恐る顔を上げると翔太は微笑み、もう一度桃李を優しく包み込んだ