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君と別れるための5つの条件

第3章 一緒に寝る

らくが1人で食事しているお客さんにヘラヘラ声をかけている
お客さん困ってるじゃん



「楽、ちゃんと仕事して。じゃないと、マジで給料減らすよ?」


にこやかに楽にそう告げると楽は慌てて仕事へと戻っていった



「相変わらず仲いいね。桃李ちゃん楽くんとくっついたらいいじゃん」



常連さんがいそいそと仕事に戻っていくらくを見つめながら、そんなことを言う



「は?何言ってるんですか。あいつは大切な友達ですよ」



桃李は笑いながらそう返した





実はあいつとも専門学校時代に一度だけ関係を持ったことがある



出会ってすぐの頃、桃李はいつもヘラヘラしてるのに優しい楽にに少し惹かれていた



『お前、俺のこと好きなの?』


突然楽に言われた言葉
隠してたつもりなのに、知られてしまったその気持ちは桃李を恐怖に突き落とした



でも、次に続けられた言葉は意外なものだった


『なら俺と試してみる?』



それから桃李たちはホテルへと向かい関係を持った
その一度だけ……






「あいつとはただの友達……」


桃李は無意識のうちに暗い表情になっていたのか、常連さんが心配そうな顔で覗き込んでいた

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