君と別れるための5つの条件
第4章 過去
信じていたことが違うと分かって混乱している桃李をよそに楽はポケットから携帯を取り出して何やら操作し始めた
「もしもし、楽です。……はい、夜分遅くにすいません、小野田さん」
携帯を弄っていた楽の口から出た名前に桃李の思考は停止してしまう
呆然と見守ることしかできない桃李をよそに楽は淡々と会話を進めていく
「実は小野田さんに話しておきたいことがありまして……はい、電話で申し訳ないんですが。実は、俺と桃李は……」
「やめて‼︎」
桃李は楽の言おうとしていることがわかると声を張り上げて抵抗する
しかし、楽はちらっと桃李の方を見ると容赦無く言葉を続けた
「……ゲイなんです。……ええ、恋愛対象は男性の方です。……このまま隠していてもいずれバレると思いまして……いえ、大丈夫です。それでは……はい、失礼いたしました」