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君と別れるための5つの条件

第4章 過去



「俺の勝手な考えでお前と小野田さん引き離したんだぞ。だから、もっと怒れよ」




そう言って桃李を壁にまで追い詰めて逃げられないように両手を桃李の頭の横に置くとゆっくりと顔を上げた
整った顔が罪悪感から歪み、目には涙が溜まっている



「ごめん、桃李……」



そう言って楽は桃李に口付ける
無理やり押し付けているだけの長い長いキス
一瞬呆気に取られた桃李だったが、我に帰るとあの時以上に必死に抵抗する







扉のところに呆然としている翔太の姿があったからだ







「ちょ、ん……やめて……‼︎」



バシン‼︎



突然店の中に鈍い音が聞こえ響き渡る



翔太が楽の頬を思い切り引っ叩いた音だと気づいた時には楽は床に倒れ込んでいた



「楽‼︎」



桃李が楽に駆け寄ろうとするとそれは翔太に腕を掴まれて阻止される



「一緒に来てください‼︎」



なぜか怒ったようにきつい口調で言うと翔太は掴んだ桃李の腕を強引に引いて扉に向かって歩いていく

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