君と別れるための5つの条件
第4章 過去
「何で成瀬さんにあんなことされちゃってるんですか?村瀬さんは俺のことが好きなんだろ?……だったらあんなことされてんなよ……」
突然の出来事に呆然としていた桃李だったがハッとして翔太の腕から逃れようと胸を押してみるがビクともしない
「……何でそんなこと言うの? 俺、ゲイなんだよ? 気持ち悪くないの?」
翔太は何時もの完璧な敬語を崩して、桃李を抱きしめる腕にさらに力を込めて言った
「気持ち悪いわけない! 何でそんなこと不安になってんの?」
「だって普通気持ち悪いでしょ? 男が好きなんて。……それに、小野田さんが長い間店に来てくれなかったから……」
桃李がそう言うと翔太は桃李の肩に頭を置いて首筋に鼻を擦り付けるようにした
そこの行動に桃李の心臓は鼓動をさらに早める
「それは、仕事で少しトラブルがあってずっと忙しかったんです」