君と別れるための5つの条件
第4章 過去
翔太はそこで一度深呼吸して少し低い、心地のいい声でふてくされたように呟く
「俺だって村瀬さんと会いたかったのに」
桃李は翔太のあまりに予想外の言葉にビックリして翔太の顔を見ようと体を少し離そうとする
しかし、翔太がそれを許さない
「顔、見ないで。俺今すごい顔してるから」
翔太は肩に置いていた頭を退けると、今度は桃李の頭の上に顎を乗せてもう一度深呼吸をするとゆっくりと口を開いた
「好きです。小野田さんのことが。俺と付き合って?」
その言葉は桃李の心にあったモヤモヤを溶かし、桃李を「幸せ」で優しく包む
恥ずかしすぎて言葉にできないけど、そっと翔太の腰に腕を回し、力を込めて抱きしめる
そんな桃李の気持ちが伝わったのか翔太も桃李を抱きしめるうでに力を込め、嬉しそうに「よかった」と呟いた
「村瀬さん、顔上げて?」
翔太の言葉に素直に従い赤く染まった顔を上げると、形の良い唇が優しく桃李の唇に触れる
「これで村瀬さんは俺から離れられないよ」