君と別れるための5つの条件
第4章 過去
キスをした後もしばらく抱きしめ抱きしめ合い幸せに浸っていると、何かを思い出したのか、突然慌て始めた
「勢いのあまり、成瀬さん殴っちゃったの忘れてた……」
そんな様子を見て桃李は思わず笑ってしまう
「はは、死にはしないって言ったの自分じゃん。大丈夫だよ楽なら。笑って許してくれるって」
そういえば、何で楽にまたキスされたんだろ
そんなことを少し余裕のできた頭で考えているとまだ慌てている翔太が桃李に話しかける
「村瀬さんさん、荷物も服もお店に置きっ放しですよね? あー、俺何やってんだろ……」
「あー、そう言えば店の片付けも途中だったし、一応電話しとくかな」
そう言って桃李は着替えていなかった店の制服のズボンやエプロンのポケットを探ってあることに気づいた
「携帯、カバンの中だった」
「すいません、俺のせいで……俺の使ってください!」
そう言って差し出された携帯受けとるとき、お互いの指が触れて胸がドキドキする
そんな恥ずかしさから逃げるように素早く電話帳から楽の名前を見つけて電話をかけた