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君と別れるための5つの条件

第1章 君と別れるための5つの条件

扉の影から翔太がその姿を意地悪く微笑みながら見ているとは知らずに……


翔太はしばらく廊下で時間を潰してからリビングに戻った

本当はあの電話には出ていない

桃李の反応を見て楽しんでいただけなのだ

時刻は午後10時過ぎ

桃李は洗い物を終え、今は洗濯物を畳んでいる

手際よく洗濯物を畳んでいくその後ろ姿からはいつも以上の疲労が感じられる

桃李は自分の仕事もあるのにいつも家事もしてくれて、疲れてるはずだ

それに加えてさっきの……

ちょっといじめすぎたかな

なんて、翔太は反省した

「桃李、あとは俺がやっとくから。風呂入って来なよ」

「え……でも……」

「いいから。疲れてんだろ?いつもいろいろしてもらってるから俺にもさせて?」

桃李は少し困った顔をしたが、「じゃあ、よろしく」というとフラフラしながら風呂場へと姿を消した

それを見届けた翔太はこれから1カ月、どうしたものかと考えながら洗濯物を畳んでいった

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