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君と別れるための5つの条件

第4章 過去




「嬉しい。この家に一緒に住むのは村瀬さんだよ。嫌じゃなければだけど」



そういった翔太の手にはこの家の合鍵らしき物が握られている



「この鍵、自由に使っていいから。あと、もし嫌じゃなかったら一緒に住もう。ゆっくり考えといて? いつになってもいいから」



翔太は桃李の手を掴むとその手のひらに鍵を乗せた
しかし、桃李はそれを受け取ろうとしない



「出会ってまだ数ヶ月だし、そんな奴に鍵なんか渡したら危ないよ。それに、その……付き合ってる、けど今日からだし……これはまだ受け取れない」




「俺、村瀬さんが悪い人じゃないの知ってるし。そもそもここは俺の家なんだから何か起きたときの責任は俺にあるんだし……分かった。この鍵はまた今度ね」



翔太は納得いかないようだったけど、とうとう桃李の真剣な目に負けて鍵をポケットの中にしまった



「ありがと。その鍵は1年後、小野田さんがまだ俺の事が好きだったらちょうだい?」

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