君と別れるための5つの条件
第4章 過去
翔太に好きと言われたときから桃李の胸の中には不安が押し寄せていた
何せ相手はノンケなのだ
いつ、男が好きだったのは気の迷いだった、なんて言われるかわからない
小野田さんに限ってそんな事はないと思ってるし、小野田さんはそんな事は言うような人じゃないとも信じてる
けど、それでもゲイとノンケの溝は大きい
今はフラれたときにショックを小さくする方法を考えるので精一杯だ
「そっか。じゃあ、お揃いのキーホルダーでも買っとくからたのしみにしといてね?」
翔太も桃李の気持ちを察したのか少し寂しそうな目を一瞬したけれど、少し冗談めかして言いながら微笑んでくれる
桃李にも翔太がいい人なのは充分にわかっているのだが、うまく信じる事ができない
こんなにも優しい人のことを疑ってしまう自分の性格を恨む
桃李は無意識のうちに下唇を強く噛んでいたのか、そこに痛みが走った
翔太は桃李が少し顔をしかめたのを見逃さず、桃李の唇を人差し指でつつく