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君と別れるための5つの条件

第4章 過去



ちょっとくらいならいいよね



桃李はその匂いをもっとよく匂いたくて袖を鼻に近づけて息を吸う
それは 身体中に広がっていき、鼓動を早くする
それが心地よくてもう一度息を吸い込む



いや、吸い込もうとしたのだが……




「村瀬さん? どうかしましたか?」




「うわ‼︎ べ、別になんでもないです‼︎」



みられた⁉︎
翔太に声をかけられた瞬間腕を下ろしたが、みられてしまったかもしれない
服の匂いを嗅いでる所なんてみられて、幻滅されたらどうしよう……
自然と桃李の体に力が入る



「? そうですか。そんな所にずっといたら風邪ひきますよ。早く部屋に入って下さい」



「う、うん。ごめんね?」



「なんで謝ってんですか? ほら、早く来てください」



その言葉に桃李はおとなしく従って、あの大きなリビングへと向かった








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