君と別れるための5つの条件
第4章 過去
「……さっきから貴方は……俺の理性を壊すつもりですか?」
突然口を開いた翔太が呆然と突っ立っていた桃李の腕を力強く掴む
「え? ちょ! ま、待って」
あまりにいきなりすぎて状況が理解できない
「早く寝室に行きますよ。そんな可愛いことして……俺だって男なんだから何もないと思うなよ!」
桃李に背を向けてそう言った翔太の耳は真っ赤に染まっている
嗚呼、なんか、すごく可愛い‼︎
さっきまでの沈んだ気持ちはもう何処かに飛んで行って、今は笑いがこみ上げてくる
クスクスと小さく笑う桃李に今度は低い、不服そうな声が降ってくる
「何笑ってるんですか?」
その声もヤバイかも……
「いや、可愛いなと思って。初めて小野田さんが年下って感じした。ふふ、なんか嬉しいかも。……うわ!」
翔太の質問に答えたらいつの間にか体を掬われ、翔太にお姫様抱っこされていた