君と別れるための5つの条件
第4章 過去
あ、俺、この人に食われる
直感でそう感じる
こんなこと感じたことは今まで一度たりとも無い
きっとこの行為を終えてしまえば眼の前で本能をむき出しにした男から一生離れることはできなくなる
体だけじゃなくて心も何もかもを奪われてしまう
傷つくのが嫌だったから本当はすごく嬉かったことも断って、翔太にも我慢してもらったのに、全てが意味の無いことになる
でも、まぁ
信じて、自分の全てを託してみるのもいいかもしれない
裏切られたら……
これは考えないことにしよう
でも、もし裏切られることはあっても、自分から裏切ることは無いだろう
だって今、翔太に体も心も奪われて食べられてしまうことを強く望んでいるから
期待に胸が高鳴って
鋭い視線すら快感となってゾクゾクと背中を駆け上がっていく
たとえこれが一方的な思いでも
きっとこれが運命とか言うやつに違いない