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♂×♀時々♂×♂

第1章 自己紹介的プロローグ

男っていっぺん覚えると
我慢しきれなくなってくる。

初体験の後は、
会う度にセックスしてた。

夏祭りの後、俺のささやかな小遣いで
ラブホとやらに休憩しに行った。

浴衣を脱がせると、後々面倒臭いので
上に捲り上げての挿入。


すげぇ興奮した。


と、ここまでの話では
俺は至って普通の健全な?男子だ。

夏休みも終盤に差し掛かった頃、
俺は隣のクラスの男子に
近くの公園に呼び出された。

あまり知らない奴だったから
渋々警戒しながら
公園へと向かった。

じっくりとは顔なんて見た事なくて、
その時初めてマジマジとそいつ見つめた。


可愛い顔してんな…


それが俺の率直な感想。
色白で華奢で、少し茶色がかった頭髪。
クリクリした瞳に、クソ長い睫毛。


男にしとくの勿体ねぇ。


それが次の感想。
ピンクがかった艶っぽい唇。
ちょっとはにかんで染めた頬。


キスしてやろうか…


そう思った時、そいつが口を開いた。


「…好き…です。」


蝉の暑苦しい声だけが
俺の耳に響いていた。

ハッと我に返ると
そいつは照れ苦笑いを浮かべていた。

何となくバツが悪そうで、
ちょっと瞳も潤んでいた。


胸が軋んだ。
キュンってした。


長い睫毛を伏せて、小さな声で
「ごめん」
と呟いたそいつを、
俺は強く抱きしめた。


「そんな顔、すんな。」


初めて俺がかけた言葉。
そいつは首を何度も頷かせながら
泣いていた。

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