声の魔法2
第3章 聡side
う〜、あと30分か。長いッ。
・・・あと25分。あれから5分しか経ってない。
今日は時計ばかり見ている。なかなか時間が経たない・・・
なんか俺、ワクワクしてね?めぐみちゃん待ってくれてるしね。ヤバイ、顔の筋肉が緩む。
「聡、にやけてないで働け〜。」
あと少し・・・頑張るか。
やっと終わった、長かったな〜。
更衣室で着替え、楽屋に向かう。
あっ、めぐみちゃん。正樹さんと仲良さそうだな・・・顔赤らめてるし・・・もしかして正樹さんのこと・・・
落ち着け、俺。
小さく深呼吸をして楽屋に入って行った。
「お疲れ!」
「聡さん、めぐみが待ちくたびれてるよ〜」
『そんな・・・大丈夫ですよ。』
うつむくめぐみちゃん。やっぱ可愛い。今日こそきちんと伝えよう、俺の気持ち。あの場所で。
食事を済ませ夜道を歩き出す。
ヤベェ!俺、緊張してる・・・
勇気を出し、めぐみちゃんの手を取り
「めぐみちゃん、俺のお気に入りの場所に案内するよ。」と歩き出した。
ビックリしたような顔をしていたが拒否はされていない。俺は心の中で小さくガッツポーズをした。