声の魔法2
第4章 お気に入りの場所
住宅街をしばらく歩く。長い階段を上ると公園が見えた。
『わぁ〜。』思わず息を飲む。公園から見渡す街並みは、宝石を散りばめたように輝いて見えた。
「ねっ、絶景でしょ?」聡さんが優しく微笑む。
『すご〜い!こんな近くにこんなきれいな場所があったんだね。』
「なかなかのもんでしょ。」
私はうつむきながら
『お気に入りの場所に連れて来てもらえて嬉しい。』と言う。
聡さんは私の顔を覗き、チュッとキスをした。
えっ?何?今キスした?頭がパニック!
聡さんがクスッと笑い、
「ごめんね。イヤだった?」私は小さく首を振る。彼はホッとしたように私を抱きしめ、そして耳元で囁いた。
「好きだ。」
ドキッ!この声で、こんな近くで囁かれる。とろけそう・・・
顔を上げると聡さんの優しい顔がゆっくり近づいて来た。
二人の唇が重なる。息ができないくらい激しいキスを交わす。
『ん・・ はぁ・・ん・・・』苦しい・・・
聡さんがクスッと笑って言った。
「初めてのキス?」私は小さく頷く。恥ずかしい・・・
さっきから心臓がバクバクしてる。こんなの初めて。恥ずかしくて聡さんの顔を見ることができない。
「めぐみちゃん、めっちゃ可愛い。俺と付き合ってください。」
私の胸がドキドキ・・・ドキドキ・・・
『宜しくお願いします。』とうつむくと、聡さんはぎゅーっと抱きしめてくれた。
幸せ・・・
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