君とのステキなタシナミ
第9章 Case5-chapter1-
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いずみが俺の方をみる。
本当にコイツ困ってんだなー。
顔が必死。
しゅーと「彼氏拓海っつーんだっけ?」
いずみ「うん」
しゅーと「そいつと別れて俺と付き合えよ」
ポカンとしたまま固まるいずみ。
コイツ理解してんの?
しゅーと「だから、そいつと別れて俺と付き合えって。」
こいつは本当に優しい。
考えてみれば、勉強を教えていた一年間、彼氏に振り回されているコイツを何回も見てきた。
新年早々、時間がない時だ。
彼氏が風邪を引いていて、家族は帰省しているから辛いらしい、と聞いて本気で心配していた時があった。
自分の心配しろよ、と言った。
だけど、結局心配だから、と勉強を早々に切り上げて彼氏の家に飛んでいったことがある。
その次の日にどうなったかを聞いたら、いずみは突然ヘラヘラし出した。そして
大丈夫だったよ。あんなヤツ心配しなくても平気だったよ!
と。
しゅーと「おい、あの日もヤったんだろ?てか、ヤらされたんじゃねーの?」
いずみ「風邪は引いてたよ。ほんとに。つらそうだっ…」
しゅーと「じゃなくて、ヤらされたんじゃねーの?って聞いてんの。」
こくりと頷くいずみ。
はあ…。なんでこいつはこんなに優しいんだか。
いずみ「あのさ、別れるから。それと…剃るから…。ごめん、なんか。」
お前は悪くないのになんで謝るんだよ。
…俺が好きなのも本当なんだがなぁ。
しゅーと「無理じゃね?だって、お前反省するし、考えなおしてほしい、って言われても別れられるの?」
言葉に詰まるいずみ。
しゅーと「もう彼氏がいるってなったら別れるしかないじゃん?」
いずみ「でも、それは、やっぱり別れる前に付き合ったらダメだと思う。」
あーー。もう。むしゃくしゃするなぁ!
しゅーと「まあでも俺とは付き合えよ」
いずみ「考えさせ…」
しゅーと「言うこと聞くんだろ?」
いずみが泣きそうな顔をする。涙をこらえている。