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アクアリウムに恋をして

第1章 アクアリウムに恋をして

「少し、君と話してみたい。大丈夫か?」

「あっ……はい」

 男性の言葉に驚きつつも受け入れる少女。

「で、さっきの質問やけど、金魚、好きなんか?」

「あ、はい。好きなんです。特にこの会場みたいなアートアクアリウムは好き」

「まぁ、綺麗やもんな。俺も好きやで。こんなところで警備できてタダで見れてこの警備期間は幸せやったなぁ……」

「うーん、綺麗だから好きっていうのもあるんですけど、それ以上に、ここでは、差別もいじめもなくみんな平等に存在しているでしょ? だから、ここのが好き。家でも金魚飼っていて、飼っているのにこういうこと言うのもおかしいんですけど、私、ペットショップの金魚はあまり好きじゃないんです。だって人気のあるやつから売られていくでしょう?」

 少女は男性の微笑みに安心したのか、饒舌に話をする。

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