アクアリウムに恋をして
第1章 アクアリウムに恋をして
「でもよ、アクアリウムなんて不自由なだけやと思う。決められた場所でただ泳ぐだけ」
男性は悲しそうに俯く。男性は嫌だった。親の決められた場所をただ真っ直ぐに泳ぐだけの人生が。だから、ある日、家を飛び出した。少女にはあんな風に言ったが、本当はアクアリウムを自分と重ねて悲しくなっていた。
「そうですね……。けど、自由な世界だと人は争い合います。だから私は不自由なこの世界が好きです」
少女が最近、好きなアーティストの歌の歌詞。貴方が会いに来てくれる不自由なこの場所が好き。この金魚たちは、そう思っているのだろうか。少女はそんなことを考えていた。
男性は悲しそうに俯く。男性は嫌だった。親の決められた場所をただ真っ直ぐに泳ぐだけの人生が。だから、ある日、家を飛び出した。少女にはあんな風に言ったが、本当はアクアリウムを自分と重ねて悲しくなっていた。
「そうですね……。けど、自由な世界だと人は争い合います。だから私は不自由なこの世界が好きです」
少女が最近、好きなアーティストの歌の歌詞。貴方が会いに来てくれる不自由なこの場所が好き。この金魚たちは、そう思っているのだろうか。少女はそんなことを考えていた。